広島いん石

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宇宙からのおくりもの

広島隕石
2023年2月、広島いん石は発見から20年を迎えました。
こども文化科学館では、広島いん石の実物を1階プラネタリウム券売窓口のとなりに展示しています。
また、落下の際に突き破った建物の屋根や天井などもあわせて展示しています。
発見20周年にあわせて、「広島いん石AR」を公開しました。
>「広島いん石AR」で、広島いん石をすみずみまで見てみよう!

どんなもの?

広島隕石
大きさ/5.8cm×10.5cm×4.6cm
重 さ/414g

表面は、地球大気を通過するときに非常に高温になってできる隕石特有の黒い皮膜(溶融被殻)で覆われています。中の色はセメントのような灰色です。
分析のために一部が切り取られ、切り取ったものは国立科学博物館(東京都台東区)に展示されています。この写真は、切り取る前の姿です。

いつ落ちてきたの?

2003年2月4日(火)に発見されましたが、残念ながら落下を目撃した人は見つかっていません。
前日の2月3日(月)に、天井に穴が開いているのが発見されていることから、休業中であった2月1日(土)夕方から2月3日(月)朝までのあいだに落ちてきたものと思われます。

どこに落ちたの?

株式会社エバルス広島物流センター

広島市安佐南区伴南二丁目にある、株式会社エバルス広島物流センターの建物に、屋根と天井を突き抜けて床に落ちていました。もしそこから十数メートル手前に落ちていたら、土にめり込み発見されていなかったでしょう。

どちらから飛んできたの?

天井にあいた穴

屋根にあいた穴と、天井にあいた穴の関係から、西北西の方角のほぼ真上あたりから、落ちてきたと思われます。
屋根にあいた穴と天井にあいた穴(写真提供:株式会社エバルス)

なにがわかったの?

2月6日に国立科学博物館に持ち込んで分析した結果、このいん石は太陽系誕生の時期とほぼ同じ、いまから約45億年前にできたものであることがわかりました

いん石の種類は?

いん石には大きく分けて3種類あります。それは、石質いん石、鉄いん石(いん鉄)、石鉄いん石の3つです。そのうち石質いん石は球粒いん石(コンドライト)と無球粒いん石(エイコンドライト)に分けることができます。
広島いん石は、石質いん石のなかの球粒いん石の仲間です。そのなかでも鉄分の多いHグループに属します。

どのくらいの速度で落ちてきたの?

ふつう、いん石は秒速数十キロメートルの速さで、地球に飛び込んできます。
その後、大気との摩擦で速度は遅くなり地面に落ちるときのスピードは、時速数百キロメートルくらいです。

地球にない物質がありますか?

ふつういん石の主成分元素は、酸素、マグネシウム、ケイ素、硫黄、鉄などで、地球に存在しない元素はありません。それは、地球もいん石も太陽系の中の天体として、同じ材料で同じように生まれてきたからです。
しかし、地球上にはない化合物が含まれる場合があります。

日本で何番目なの?

広島いん石は、日本で49番目に確認されたいん石です。
その後、神岡いん石(1921-1949の間に落下)、長良いん石(2012年落下)、小牧いん石(2018年落下)、習志野いん石(2020年落下)、越谷隕石(1902年落下)が発見されました。
2023年4月現在、日本で確認されているいん石は、54例あります。