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掲載日2020.04.10
2020.04.10

「おうちでミュージアム」宵の明星“金星”

今年の冬から春にかけて,太陽が沈んだ後の夕方の西空にとても明るく輝く星が見えています(写真1)。科学館への問い合わせも多いのですが,この星は“金星”と呼ばれる天体です。見える時間帯から“宵の明星”とも言われています。金星は私たちが住む地球と同じ,太陽の周りを回る“惑星”の仲間です。
金星は,今回のように日没後(夕方)の西の空,もしくは明け方の東の空(明けの明星)でしか見ることができません。つまり夜中には見ることができないのです。なぜでしょう。これは金星が輝く理由と,金星と地球の位置関係から考えることができます。金星は地球よりは太陽の近くを回り,内惑星とも呼ばれています(図1,他の惑星などは省略しています)。また,金星は自分の力で輝いているのではなく,太陽からの光を反射して,その光を私たちは見ているのです。したがって,図1の位置関係では,金星が輝いている部分が地球の方に向いていないため,夜中だけでなく朝夕にも見ることができません。これは新月の月が見えない理由と似ています。


写真1(2020/4/10 19時ごろ)


図1

そのうち位置関係が変わり,図2のような状態になります。すると,朝方では金星の輝く部分が少し見えてきます。その見え方はバナナのような,月に例えると三日月のような細長い形に見えます。でも,夕方や夜中では地球越しとなり見ることができません。


図2

また位置関係が変わり,図3のような状態になります。見える時間帯は図2と同じですが,見える形が変化して,全体の半分ほどが見えてきます。このように金星は見える様子が満ち欠けをするのです。また,地球からの距離が遠くなるため,小さく見えます。


図3

さらに位置関係が変わり,図4のような状態になります。見える時間帯は図2や図3と同じですが,見える形は違って,金星の多くの部分が見えるようになります。また,距離がさらに離れるので,一層小さく見えます。


図4

そして,図5のように地球から見て金星が太陽の反対側に来ると,金星全体に太陽の光が当たりますが,同時に太陽と同じ方向にあるため,見ることができなくなります。


図5

日にちがたち、位置関係が変わり図6のようになると、今度は夕方の西の空で見えるようになります。しかし,明け方や真夜中には地球越しとなり見ることができません。また、図4と同じく金星の多くの部分が見えます。


図6

さらに位置関係が変わり図7そして図8のように位置関係が変わっていくと,夕方の西空で,見える形が半月そして三日月へ変わり,大きく見えていきます。けれども明け方や真夜中では,地球越しとなり見ることができません。


図7


図8

そして,再び図1のような位置関係となってどこからも見えなくなり,次に図2の位置関係となって明け方の空で見えてくるのです。
このように,太陽や地球との位置関係により,金星は見える時間帯や形が変わっていきます。月と違い,金星の見える形を肉眼で確認することはできませんが,金星を見つけた時は,「どんな形をしているかな」と思って見るのもいいかもしれません。


図1


図2