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科学のお話

2022年5月13日(金)

タンポポのそっくりさん

 科学館では毎年4月、広島城のタンポポの分布を調査する科学教室を開催しています。令和4年度は16名のタンポポ調査隊(参加者)のみなさんと、広島城跡の5つのポイントに咲いているタンポポの種類を調べました。
 タンポポ調査をしながら歩いていると、タンポポのそっくりさんに出会うことがあります。

突然ですが、ここでクイズです。次のA~Cのうち、タンポポはどれでしょうか?

(写真A・B筆者撮影、写真C和田秀次氏撮影)

正解は・・・





Bでした。カンサイタンポポという在来種(日本のタンポポ)です。みなさん正解しましたか?

カンサイタンポポ

 タンポポの特徴は、「花茎(かけい)が枝分かれせず、一本の花茎にひとつの花がつく」という点です。花茎は花を支えている茎(くき)のようにみえる部分です。普通の茎と違って花だけがつき、葉がつくことはありません。

 それでは、もう一度クイズの写真を見てください。いずれも黄色い花がついてタンポポそっくりですが、どこが違うのでしょうか。
 タンポポとタンポポのそっくりさんを見分けるためには、花茎と花のつきかたに注目します。

 Aの植物は、ノゲシといいます。花はタンポポによく似ていますが、まっすぐ伸びた茎の途中に葉がついているので、タンポポと区別できます。葉のつけねが茎を抱くようについていて、よく見ると、葉にはするどいトゲがあります。

ノゲシ

 Cの植物は、オニタビラコといいます。花茎の先は枝分かれして、花が2~3個つきます。タンポポは花茎が枝分かれしないので区別できます。葉のつき方はタンポポによく似ているので間違えやすいです。
 最近の研究で、オニタビラコにはアオオニタビラコとアカオニタビラコという2つの種類があることがわかりました。「改定新版 日本の野生植物5」によると、

アオオニタビラコの特徴は、
・根出葉は緑色
(※根出葉(こんしゅつよう)とは、短い茎に葉がついているため、根元から出ているように見える葉のこと。タンポポの葉も根出葉です。)
・茎はふつう根元から数本出る。緑色か紫色で毛が少ない

アカオニタビラコの特徴は、
・根出葉は赤みを帯びる
・茎は1本立ちか、数本出る場合でも中央の1本が太い。下部を中心に毛が多い

と記されています。
 オニタビラコを見つけたら、どちらの特徴を持っているか観察してみてくださいね。

アオオニタビラコの根元部分(撮影:和田秀次氏)

(※写真のものは毛が少なくないのが気になるところですが、根出葉が緑色、茎が紫色で根元から数本出ている点がアオオニタビラコの特徴です。)

アカオニタビラコ(撮影:和田秀次氏)

(※根出葉が赤みを帯びており、太い茎がしっかりと伸びている点がアカオニタビラコの特徴です。)

協力:和田秀次さん(広島市こども文化科学館 科学教室講師)
<参考資料>
大橋広好ほか編『改定新版 日本の野生植物5』平凡社,2017
保谷彰彦著『わたしのタンポポ研究』さ・え・ら書房,2015
渡邉弘晴著『タンポポ-風でたねを飛ばす植物-』あかね書房,2013


「科学のお話」ではこれまでにタンポポに関する記事をいくつか紹介しています。他の記事もあわせてご覧ください。

「タンポポの見分け方 2011年4月8日」
「タンポポ大捜査線 2015年5月6日」
「タンポポの春・夏・秋・冬 2017年5月30日」
「セイヨウタンポポとアカミタンポポ 2021年5月8日」

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